せんけん
めがび神社ラジオ
本番前のみ「奴」は来る
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本番前のみ「奴」は来る

僕の場合は商品を出す行為が一番「くる」

note記事のポッドキャストだ。

noteに飛ぶのが面倒な人は途中まで書くから読んでちょ。

ここ数日、めがび神社の参拝物語を記していない。というのも

僕は今、ある情報商品を世に出そうとしている。

「自分の弱みに主導権を握られるな」

やることはわかっているし、やるべきことをやっている。
最後の最後で不安や恐怖が先に立ち、自分を止める。

  • 売れなかったらどうする

  • 見向きされなかったらどうする

  • クレームきまくったらどうする

  • ここまでやってきたこと全て無駄だったら嫌だな…

今、記事を書いてる僕自身が、弱みに握られようとしている。
何とも笑えない話だ。

この日、この時、この瞬間、この状況にしか訪れない「弱さ、迷い、不安、悩み、期待」その他、数日たつと消えていくだろう。だから僕は今、ここで自分を書いている。本来なら表に出さないほうがいい自分を出している。

ここから得られる情報なんて「土壇場で不安に押しつぶされる人間」だけ。無駄だったらどうしよう、また自分の中で思う最悪な展開になったらどうしよう……そのためにあれをすべきでないか。

……その「あれ」って何?

ここで身内が倒れた。救急車を呼ぶ。
対応にあたふたするものの、別な自分が思った。

醜い。様々な自分を胸に、めがび神社へ参拝しにいこう。いつもの声からいろいろ叱咤激励してもらおう。

めがび神社、いつもの空気に満たされる。
1万円を用意した。入れる……

……うん?

声が聞こえない、発してくれない……だと?

そんな、1万円をいれた意味がないじゃないか。
どうして声が聞こえないんだ?
まさかお盆休みをとってる?

ああ、暑い。蝉だけが歓迎してくれている。

「けんさん、お久しぶりです」
「めがみこ。こんにちは。暑いねえ」

めがみこは相変わらず何も変わっていない。

「けんさん、今日は重たいですね」
「わかりますか。一万円を払ったのに、声一つ出てこなかった」
「そういうときもあるんですね……私にも何も語ってきませんね」

「なんだこの神社は!!」
僕の後ろで新しい参拝者が怒っていた。声の主は「今もいる」わ。

「そういえばなんか新作を出すって言ってましたよね、けんさん」
「ああ、気と主導権に関する内容なんだ」

めがみこと僕は神社内にある喫茶店へ向かった。
ジュースを飲みながら、僕はめがみこに商品の内容を語った。

「でさ、出す直前になったら、何をしたらいいだろう。出していいのかな。出しても無駄じゃないか。どうせだれも買わないし、見てもくれない。また負けを築くのか……弱気な声ばかり入ってきて、苦しくて、ここに来たんだ。弱気を吹き飛ばしてもらおうと思った。でも、一切声をかけてくれなかった」

はあ、情けないな、俺……。

「要はたくさんお買い上げされたい。すごく注目してもらいたい、売り上げをガンガンたてたい、でもって愛されてるとわかりたいと」
「そうなるわな。なんか恥ずかしくなってきた」

「それって恥ずかしいんですか?」

僕は腕を組んだ。

「そう思ってる自分がいるだけ……か?」
「何をしたらいいかわからない。それって悩みなんですか?」

悩みじゃないの?

「いつものあなたなら、そう思うのでは?」

「いつもの俺……今は進退きわまる状況にいて平時じゃない。重圧がすごいんだよ」

「よかったですね」

めがみこはにっこり微笑んだ。

「何がいいかわからないけど」
「よかったじゃないですか。あなたでものんびりしてられない瞬間が今、来てるじゃないですか。この経験はもう味わえないんじゃないですか。物書きとして、この時の自分って作品や記事につながりませんか?」

僕は笑った。めがみこはお茶を飲み、

「苦しいならどんどん苦しんでおけばいいんですよ。まだ苦しみを表現できてないんじゃないですか?」

「……苦しみの中途半端」

僕の声が勝手に出た。

「苦しみを徹底的に味わう」

いいのか、俺?
こんなことしてる暇なのか、俺??
そもそも、何を言っているんだ、俺は???

「私、あなたの商品を聞いた限り、主導権を握るって、悩み苦しみぬいた後の出来事じゃないですか。友としての意見でしかないですけど」

僕は何も答えられなかった。

「やっぱり苦しみたくない、なあ」

「苦しみ、降りられます?」

のどが渇いたが、お茶を飲む手すら動かない。

「俺、自分で苦しみを作りあげている?」
「仕方ないですよ、けんさんにとって今は進退窮まる状況ですもの。絶望を回避したいですもんね」
「いや、すでに絶望を味わいまくってる。次こそは避けたいが、また落ちるんじゃないかと思ったら、動けなくて」

後でめがみこにお金を払おう……気持ちがよぎった。

「落ちた先にあったのって、絶望でしたか?」

悔しい。が先かな。また達成できなかった。なんで。弱い自分にやられたから? とにかく悔しい」

この後もめがみこと話をした気がするが、頭が何も覚えていない。心は軽くなった気がするが、問題は何も解決していない

僕は「悔しい」の後に、何をこたえるべきだったんだろう。
何も出てこないんだよな。次こそは、といっても勝てる保証がない

保証があったとしても「絶対に勝てるの?」疑心が強まるだけ。
現実は物語と違う。悪い方向ばかり次々頭が浮かんでくる。

「……まだまだ苦しみを出したほうがいいな。もっと出してやれ」
これを書いたとき、ふと気づいた。

僕は進むべき道を自分からずらしていないか?

今苦しみを追いかける必要ある?

というかこれ、記事として出していいの?
……どんどんわからなくなってきた。

ちょっと深呼吸しよう……

だいぶおちついた。ここまでの流れを振り返った。今まで書いてた内容、

僕は今まで弱みに主導権を握らせたんだ……と思う。

また負けていいや、絶望も悔しさも味わっていいや。

数日前にあった気持ち「お客様と一緒に新しい一歩を」
なんて考え、一切出てこなかったな。

頭の中では「そんなこと言ってる余裕ないだろ」述べている。
頭に余裕ないからこそ、今無理やり書く。

「一緒に新しい一歩を楽しむんだ」

これすらごちゃごちゃいう自分が表れるが、無視する。
「自分だけ」じゃないでしょ、ここからは。

息をのむ。ゆっくり飲み込む。腹に力をこめる。そして手を叩く。

明日も神社行こう。めがみこにお礼の土産を買ってこなきゃ。


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